大学生の方は、居酒屋でバイトをしているという人は多いのではないでしょうか。
私の人生初のバイトが居酒屋バイトであり、3年間続けることができました。
その居酒屋バイトでは、様々な経験をさせていただきました。
料理の作り方、人との接し方、トラブルが起きたときの対処方法など...。
しかし、一番勉強になったのは、人間関係の重要性を学べたという点です。
今回は、私の居酒屋バイトの3年間を歴史的に解説してみたいと思います。
私の居酒屋でのポジション

そもそも、私は大学に入って居酒屋でバイトするまで、他のバイトはしたことがありませんでした。
つまり、この居酒屋バイトが初めてのバイトです。
居酒屋でバイトしようと思ったのは、

大きな声を出したかったから!
こんな理由で、居酒屋バイトを始めてしまいました。
最終的には、社員と同等の仕事までできるようになり、店舗ではもちろん、社内でも結構な評価をされていたと思います。
居酒屋の概略
私が働いていた居酒屋は、大型商業施設の中に居酒屋が並んでいる場所があり、その中の一角にありました。
大企業という訳ではなく、地域密着型で10店舗弱ぐらいの店舗を構える会社です。
私が働いていた居酒屋では、主に和食をメインとして営業を行っていました。
他業態として、洋食の店舗も出店していました。
社員やバイト、パートさんなどを含めれば、全体で100人程度の規模の会社でした。
その地域では、「この料理といったらこの店!」くらいの知名度ではなかったですが、そこそこ認知度は高い印象でした。
居酒屋バイトとしての歴史

それでは、さっそく私の3年間の居酒屋バイトを歴史的に(?)解説してみようと思います。
バイトの面接
バイトをするうえで、まず初めに行われるのが面接。
面接は、バイトをする側と雇う側の双方で、食い違いが無いように行われるものです。
例えば、
- 週何日入れるか
- 何時ごろまでバイトできるか
- 掛け持ちはしているか
等のことを聞かれました。
ちなみに、この時面接をしてくれたのが、この会社の社長さんでした。
小さな会社だからこそ、社長の顔が見えるんだなと思いました。

大きな声を出したいから、居酒屋でのバイトを希望しました。
というと、少し笑われ、即採用されました。
居酒屋に限らず、飲食バイトの場合は、人手が足りていない場合が多いので、よほどのことがない限り採用されないことはないでしょう。
これが人生初のバイトの始まりです。
1年目

初めてのバイト生活が始まりました。
バイト初日
ドキドキの初出勤の日は...店内大混雑でした。
何か教えてくれるかな、何かできることはないかなと思って、「できることありますか?」と聞いてみると、
「ごめん、ちょっとそこで立ってて見てて!」
と言われる始末。
ただただ立って見ているだけの棒立ち人間でした。
そして、その日は賄いを食べて帰りました。
ただ棒立ちバイトに行って、食事をもらって帰るという、居酒屋バイトを全く実感できない初日となりました。
2日目以降
2日目以降は、自分に若い社員さんが横について、いろいろと教えてくれました。
もちろん仕事のことについても、地域のことについても教えてくれました。
これに加えて、その店の人間関係も少し教えてくれました。
「この店の店長は気分で言うことが変わるから気を付けてね」
この一言は、その時はサラ~っと流してしまいましたが、後々痛感することになります。
気分屋の店長A
当時の店長を仮に店長Aとします。
この気分屋の店長Aは、店が忙しくないときは比較的優しいのですが、店が忙しくなった時には人間が変わります。
もちろん、忙しいとそれだけ大変だし、イライラしてしまうのはよくわかるのですが、その人間の変わり方が他の社員さんとは大違いなのです。
すぐに怒り、すぐに怒鳴り...。
挙句の果てには、店長Aと社員が少し喧嘩をするということがありました。
実は、この店長Aは、この店の店長であると同時に地域の統括マネージャーだったのです。
そのため、立場の高い店長Aは他の社員に細かく指示を出すのですが、その指示があまり的確ではないため、他の社員は反発します。
その反発に店長Aは怒って...悪循環の繰り返しでした。
そして23時くらいになって忙しさが落ち着いてくると、店長Aの怒りは収まるのですが、理不尽なことで怒られている社員は怒ったままです。
このようなことが多々あり、店長Aとその他の社員・バイトの間には、だんだんと深い溝ができてしまいました。
気分屋店長Aのせいで、バイト仲間が次々と辞めていく
私がバイトを始めてからも、いろんな人が面接にやってきました。
「来週からは新しいバイト生が来るよ」
と聞くと、仲間が増えるので喜んだことを覚えています。
しかし、新しいバイト生は、店長Aを見てたちまち辞めていきました。
まあ当然と言えば当然ですよね。
理不尽なことで無駄に怒られるのですから。
そのため、バイト生は私だけでそのほかは社員さんという構図が完成してしまいました。
そんなこんなで2年目を目前にしたとき、転機が訪れました。
新店舗を出店する
会社が新店舗を数店出店するというのです。
つまり、その新店舗には新しい社員や店長が必要とされる。
店長Aは、その新店舗の店長として抜擢されました。
すなわち、私がバイトしている店舗からはいなくなるということです。
これを聞いたとき、店舗の社員さんや数少ないバイト生は歓喜の声をあげました。
実際、これ以降の店舗の人間関係や新しいバイト生のバイト継続率も大きく改善されました。
店長Aが私のがバイトする店舗を抜けたことで、この店舗でもともと社員をしていた社員さんBが、店長に昇格しました。
この新しい店長を店長Bとしましょう。
2年目

2年目からは、新しい店長Bが店づくりを行います。
新しい店長Bは、忙しくなっても人に当たることはなく、いつも優しく接してくれました。
そのため、忙しくなった時でも店舗で働いている人の中には笑顔がありました。
「忙しくても楽しい」とはこのことなんだなと実感できました。
この店長Bの元で私はバイト生としてのスキルをどんどん身につけていきました。
店舗では社員並みの仕事をすることができるようになって、他のバイト生にいろいろと教える立場にもなりました。
そのため、店舗ではもちろんですが、会社内にもその評判が広がっていきました。
そのため、近くの同系列の店舗にもヘルプとして手伝いに行ったこともあります。
また、和食居酒屋だけではなく、洋食居酒屋にヘルプに行くことも多々ありました。
このようにして、私はなんでもできるバイト生として、評判をあげていきました。
私のバイト史史上最大のミス
そんな評価をめきめきとあげていった私ですが、こんな中で初で史上最大のミスをやらかしてしまいます。
それは、「カルピスソーダの注文をカルピスサワーと聞き間違えてしまった」というミスです。
すなわち、アルコールを飲まない人に対して、アルコールを提供してしまったのです。
すぐに謝って、新しい飲み物を持っていきましたが、やはりそのお客さんは怒っておられました。
それもそのはず、そのお客さんは会社の宴会に参加するため、隣県から車で来店していたのです。
さすがにその時に店長Bに怒られるな、と覚悟していました。
しかし、店長Bは私に怒るどころか、「心配するな、大丈夫。」と言って、お客さんのもとに謝りに行ってくれました。
そして、このトラブルの対処は、そのお客さんには近くのホテルに泊まってもらうということで決着しました。
なぜ店長が私を怒らなかったのか
店長は、「そんなミス、誰にでもある」と言って、私には怒りませんでした。
その理由は
- 長年ミスをせずにやってきたバイト生だったから。
- 自分自身で対応することなく、すぐに店長Bに伝えたから。
- 私のミスではなく、そのお客さんが言い間違えた可能性があるから。
- 店舗で起きたミスは、店長が責任を負うから。
など、様々考えられますが、本質的な理由は、
店長Bやほかの社員・バイト生の私に対する信頼が厚かったから
この一言に尽きると思います。
やはり、長期間続けてバイトを行うことで、人間関係が構築されます。
その人間関係によって、強い信頼を得ることができました。
よく「信頼されることはとても大事」と言われますが、この史上最大のミスはこれを痛感することになりました。
3年目

3年目になると、ほぼ完璧にすべての仕事を任されるようになりました。
他のバイト生が困っていることがあれば、助けてあげることもありました。
他店舗にヘルプに行くこともありました。
そこでふと思ったことは、「バイト代あがらないかな」ということです。
上がらない時給
バイトも3年目で、できる仕事も他のバイト生より群を抜いて多かったです。
しかし、いくら頑張っても、いくら頼んでも時給は全く上がらないのです。
他の居酒屋でバイトしている人や、コンビニでバイトしている人に聞いてみると、毎年少しずつ時給が上がっているようでした。
わたしもその人たちのように、バイト代が上がらないかな、と期待していたのですが、全く上がりません。
できる仕事量はほかのバイト生よりも多いし、効率もいいのに、時給だけは他のバイト生と同じ。
このことに、私は少し不満を感じていました。
お金の貸し借りは人間関係を崩す
そんな不満を感じていたある日、店長Bから電話がかかってきました。
店長Bから電話がかかってくることは珍しかったので、「なんだろう」と思ってすぐに電話に出ました。
話の内容は、お金を貸してほしいという連絡でした。
金額は12万円。
私は学生で、大金を持っているわけではありません。
しかし、ミスをしたときに店長Bに助けられた恩から、店長Bにお金を貸してしまいました。
その後、店長Bから12万円きっかりと期日までに返してもらったのですが、その次の日、またお金を貸してほしいという連絡が来ました。
こんなことが何回も、何十回も繰り返されました。
絶対に貸したお金は返してくれるのですが、期日までに返してくれないことも数回。
次第に、店長Bに対する信頼は薄れていきました。
その結果、店長Bと私との人間関係は悪化していきました。
ついに居酒屋バイトを辞める
時給が上がらないこと、店長Bがお金を貸してほしいとせびってくることの2点が原因で、このバイト先を辞めることを決意しました。
そしてバイトを3年間続けた私は、居酒屋バイトを辞めました。
居酒屋バイトで経験したこと

居酒屋バイトではさまざまな経験をしました。
料理の作り方、人との接し方、ミスをしたときの対処法...。
しかし、一番よく分かったことは、人間関係の重要性です。
人間関係の重要性
1年目の店長Aがいたときには、店の人間関係はぎくしゃくし、理想とはかけ離れたものでした。
しかし、店長が店長Aから店長Bへと変わると、店の雰囲気は一変し、他のバイト生や社員との人間関係は向上しました。
店長Bによって店の雰囲気は変わりましたが、「お金貸して」の一言で店長Bと私との人間関係はすぐに壊れてしまいました。
これがきっかけの一つとなり、すぐにバイトを辞めるという決断を下しました。
つまり、私がこの居酒屋バイトの経験で得たことは、お金を稼ぐことの大変さや料理の知識ではなく、
この一言に尽きると思います。
もし店長Aが異動になっていなければ、私はそのままバイトを辞めていたかもしれません。
もし店長Bからお金を貸してと言われることが無ければ、私はそのままバイトを続けていたかもしれません。
やはり人間関係や信頼関係は非常に重要だと痛感しました。
まとめ|私が居酒屋バイトで得られたこと

私が居酒屋バイトで得られたこと。それは、
ということです。
一度壊れた人間関係はなかなか元には戻りません。
実際、私は今でも店長BのLINEをブロックし、電話も着信拒否にしています。
もしかすると、何かの転機が訪れて店長Bとまた人間関係を構築できるかもしれませんが、今の時点で再度店長Bと関わりたいかというと、全くそうは思いません。
私が居酒屋バイトで経験したことは、やはり人間関係の重要性、この一言に尽きると断言できます。