教育実習はただでさえ大変です。
授業準備や授業に加え、授業参観など実習中の業務は山ほどあります。
1つ終わってもまた1つ...、と連続して業務をこなさなければなりません。
しかし、事前に心構えをしておくことで、教育実習での失敗を防ぐことができます。
この記事では、実際にどのようなことに注意をすればよいのか、解説します。

ちなみにネットで「教育実習 注意点」で調べると、大学が提示している注意点がたくさん出てきます。
- 教育実習は責任感と熱意をもって取り組む。
- 「社会人」としてふさわしい態度を取るように注意する。
- 常に協調性を重んじ...
こんなことが書かれていますが、正直言って具体性が無くて全然イメージが湧きませんよね。
そこでこの記事では、教育実習中に気を付けるべき注意点を実習生目線で具体的に解説します。
実際に注意すべき点は次の4点です。
- 常に時間に気を配る
- 大学の講義で学んだことは、理想であることを知る
- 教育ってめんどくさいことを知る
- 学校・生徒より、なによりも自分を大切にする
では早速ひとつひとつ確認していきましょう!
気を付けることその1:教育実習では常に時間を気にする

教育実習中は常に時間を気にしましょう。
- 起床時間
- 電車に乗る時間
- 学校に到着する時間
- 授業開始までの授業準備の時間
- 授業中の時間配分 ...
例を挙げればきりがありませんが、常に時間に気を配るということを頭の片隅で意識しておきましょう。
例えば起床時間が遅れると電車に乗り遅れ、遅刻しなかったとしても学校に到着する時間が遅くなります。
そして、授業準備の時間が短くなってしまいます。
つまり、朝の起床から授業が成功するかどうかがかかっているのです。
また、授業中に時間を意識するのは当然ですよね。
だって時間配分をミスしてしまうと、授業が想定していた範囲まで進まない場合がありますから。
そういう意味でも、一日中時計を見て、時間配分を考えるべきです。
生徒の前でスマホで時間を確認するのは教師としてよくありませんので、やはり腕時計を持参するのが良いでしょう。
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気を付けることその2:大学の講義は理想であることを知る

教育実習の注意点の3つ目は、「大学で学んだ講義は理想であることを頭の片隅に置いておくこと」です。
実は、実際の教育現場では、大学で学んだ講義と全く異なる場面が出てきます。
大学では教職課程のために、様々な授業を受講してきましたよね。
教育心理学や教育史、教科指導法等...。
しかしこれらの多くは教育実習では役に立ちません。
私は大学の講義で指導案作成の練習をしましたが、実際の現場ではダメだしの嵐。
講義で教えられたことすら否定されました。
つまり、大学で勉強したことは必ずしも学校現場で役立つとは限らないのです。
教育実習は大学の講義を実践できるような環境ではない
大学で勉強したことのほとんどは教育実習に役立ちません。

こんなことを言うと怒られるかな...。でもこれが本心なんです。
なぜなら、教育実習中は指導教員のやり方に合わせて授業を構成する必要があるからです。
あなたが過去の講義でどんなに有効な指導法を理解していたとしても、指導教員の「ダメです」の一言で、その方法は使えなくなります。
つまり、教育実習中は指導教員が絶対的存在で、指導教員に反発することはできないのです。
だから、教育実習中はこれまで学んできたことを心にぐっと抑え込んで、指導教員の思惑通りに授業を構成することに努めなければなりません。
教育実習では、大学で学んだことをその場で実践することは難しいのです。

まあ、相手はプロなので当然と言っちゃそうなんですけどね。
気を付けることその3:授業はめんどくさいと知っておこう

教育実習に行く人は、「授業ってとてもめんどくさいことだ」ということを頭の片隅に置いておきましょう。
例えば生徒に「エネルギー」という概念を物理の授業で教えるとしましょう。
大学などの物理では、エネルギーを定義することから話は始まります。
しかし、中学校や高校ではそのようなやり方は通用しないのです。
- そもそもなぜエネルギーを学習するのか?
- エネルギーという概念を知って、生徒は何を学べるのか?
- エネルギーを学ぶと何が嬉しいのか?
- エネルギーを学ぶと生徒は一体何を得られるのか?
このように、「エネルギー」という一つの単元を取っても、授業者には授業のねらいや目的が求められます。
授業を行うには、知識を押し込むのではなく、生徒を自然に引き込むような展開を作らなければならないのです。
指導案の作成からとても大変だということを知っておこう
上述のように、授業を行うためには生徒を授業に自然に引き込む展開が必要です。
そのためには、指導案を作成する必要があります。
指導案とは、1つの授業をどのような内容・展開・時間配分で行うかを計画建てた文書のことです。
指導案を作成しないことには授業をすることができません。
指導案の完成のカギを握るのは、指導教官がOKを出してくれるかどうかです。
練が甘かったり、展開が考えられていないと、指導教官からNGが出てやり直しです。
つまり、ただでさえ大変な授業の前に、地獄の指導案作成が待ち構えているのです。
教材研究は自分を追い込むほどやるべきではない
大学の講義でも教育実習中でも、「教材研究は入念に行うべきだ!」と言われます。
確かに教材研究を行うことは、授業をする上でとても大事です。
10を知って1を教えるという言葉があるぐらいですからね。
しかし、私は思うのです。

自分を追い込むほどに教材研究を行う必要は無い!
よく教材研究を必死に行って自分を追い込んでいる人がいます。
私の知り合いの実習生もそうでした。
確かに入念に教材研究することは大事ですが、そんなに自分を追い込んでまで教材研究する必要は無いと思います。なぜなら、
教材研究をやりすぎないようにする理由はこの一言に尽きます。
教材研究にはゴールが無いのです。
ゴールが無いのに、そのゴールを求めて走り続けても、途中で自分が疲れて倒れてしまうだけです。
だから自分が苦しくなるほどに教材研究をする必要は無いのです。

ゴールが無くても最適解は存在します。だから、できる限りの力を出せるように努力すればいいのです。
教材研究不足で生徒からの質問に答えられなかったらどうしよう、と思っている方もいるかもしれません。
しかし、教師も教育実習生も完全にその分野を理解しているわけではありません。
歴史などは特に、教科書に書いてある内容が必ずしも正しいわけではないのですから。
もし生徒からの質問に答えられなかったら、「わからないから、次回までに調べておくね」と一言添えて、後日解決すればよいのです。
気を付けることその4:何よりも自分を大切にする

最も簡単で最も大事なことは、
教育実習中は、「生徒のことを第一に考えなさい」と言われることになります。
しかし、はっきり言って生徒のことを第一に考えていると、自分が押しつぶされてしまいます。
それだけ教育実習は辛くて大変なので、教育実習と自分とのかかわり方を十分に考えなければなりません。
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教育実習期間中は、自分大好き人間になろう
教育実習期間中は大変だからこそ、普段はそうではない人も自分大好き人間になりましょう!
教育実習期間中は、指導教員から何かと否定されることが多いです。
例えば「指導案作成が甘い!」とか、「授業が下手だ!」とか「生徒との関わり方に問題がある!」とか...。

例を挙げればきりがないほど、教育実習中は否定されました。
そのため、自分を肯定的にとらえて、指導教員や教育実習の重圧に押しつぶされることが無いようにしましょう。
自分が押しつぶされれば、教育実習を終えることはできませんからね。
食事と睡眠はしっかり取ることで、授業は成功に近づきます
自分を大切にする第一歩は、「食事と睡眠をしっかり取る」ことです。
ストレスで食欲があまり湧かない日々が続くことになります。
また、教育実習期間中は大変なことが重なるので、特に睡眠不足に陥りがちです。
しかし、食事不足や睡眠不足はパフォーマンスの低下に直結します。

緊張すると食欲もわかないし、よく寝付けません。教育実習期間はこれが継続的に続くのです。
パフォーマンスが低下すると、授業の質も低下しますし、最終的には自分の体調を崩してしまいます。
そのため、意地でも食事と睡眠はしっかりと取りましょう。
まとめ|4点に注意して教育実習のシミュレーションを
この記事では、教育実習の注意点を4つご説明しました。
- 時間を常に気にする
- 大学で学んだことは教育実習では役に立たないことを知っておく
- 授業をするのはめんどくさいことを知っておく
- 何より自分を一番に考えることが大事
2, 3, 4に関しては、ずいぶんと否定的なことを並べてしまいましたが、これが私の経験から皆さんにお伝えできることです。
つまり、教育実習は我々が抱く想像とは大きくかけ離れているのです。
しかし、これらの注意点を頭の片隅に置いておくことで、教育実習を成功させ、しっかりと自己管理を行うことができます。

ぜひ、私の経験を参考にして、より良い教育実習を経験してくださいね。